第六十七回東海書道褻術院展の開幕を迎えました。新型コロナウイルスの感染がなお終息していない状況を踏まえ授賞式、祝賀会は中止といたしました。
また会場内は手洗い、マスクの着用をお願いしながらの展覧となります。ご鑑賞下さる皆様には大変ご不便をおかけしますが、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。
本会は創立当初より、書の古典を根底にふまえ一人一人が「自由かつ大胆」な作品の発表を目指すことを会の理念としてきました。今年はどんな作品に出合えるのか、とくとご覧いただければ幸いです。
書の作品は文字を素材としていますからその内容ももちろん無視するわけにはいきませんが、ご覧になるときにはそれを第一義とせず、むしろ作品から伝わってくる何かを直感的にとらえて見ることも大事なことです。中国の書論に書をよく知る者は「字形を見ずして神彩を見る」という言葉もあります。見る人それぞれの見方があってもいいと思います。
ところで恒例になりました中日新聞全面広告のキャッチフレーズは、今回は「墨華」としました。墨竹、墨梅は墨で描かれた竹や梅のことを指します。それと同様に墨華といえばふつうは墨で描かれた花となりますが、ここでは書の作品を華にたとえて用いました。