64回展の開幕を迎えて
会長 風岡 五城


春爛漫の候、今年も盛大に第六十四回東書藝展の開幕を迎えることができ大変嬉しく思っています。開催に向けてご尽力いただきました役員はじめ会員の皆様、また関係各位に対し心から厚くお礼申し上げます。
 本展出品要項の冒頭に「自由かつ大胆な作品の発表を企画し、もって書壇に新風を送らんとす」のスローガンが高らかに謳われています。本会創立当初からのものと聞いていますが、読むたびに誇らしい気持ちになります。
芸術はすべからく自由でなければなりません。自由の中からこそ新しいものが生まれるのです。しかし、自由ということは勝手気儘とは違います。日々、書の古典に謙虚に対し、技術を高め精神を養ってこそはじめて可能であることを深く自覚しなければなりません。とはいえ書を始めて間もない方にそれを要求するのも無理があることは十分承知しています。要はそれを心掛けるかどうかが肝心です。
 少々気が早いかしれませんが、来年は六十五回の節目の年を迎えます。最近の出品点数減少から転じて増を目指すとともに、内容の益々の充実を期して研鑽に励まれんことを切に願うところです。


64回展 テーマ