62回展の開幕を迎えて

会長 風岡 五城




 第62回東書藝展の開幕を盛大に迎えることができました。各部担当の先生方並びにその他関係各位の皆様の多大なご協力、ご支援のお蔭であります。会員の皆様とともに感謝の意を表したいと思います。
 昨年の書道界では日展における審査の不正疑惑が大いに話題となりました。公募展における審査の公正さは、会の根幹に関わることですから、厳正の上にも厳正を期さねばならない問題です。本展においてもその点については細心の配慮をしてきたところです。現状はどうかといえば、審査員の選抜は常任理事以上の中から輪番制によること、また役職上やむを得ない場合を除いて各社中からは一名のみとなっています。さらに展覧会場には審査員の氏名を一覧にし、誰がどの作品に何点投じたかの内訳まで公表しています。ここまでやる公募展は他にほとんど無いと自負していますが、今後も一層の公平さ、公正さを図っていかなければなりません。
 恒例になりました中日新聞の全面広告の今年のキャッチフレーズは「書魂」としました。「魂」は心、また物の精神を表す言葉です。吟魂、氷魂、花魂などの例がありますが、「梅魂」といえば寒さを恐れぬ梅の心をいいます。さて会場内のそれぞれの作品からはどのような心が読み取れるでしょうか、とくとご覧いただきたいと思います。