新たな発展を期して

会長 風岡 五城




 昨年は記念すべき六十回展を迎え、その記念事業として歴代会長副会長作品展を開催し、同時に作品集を刊行しました。東書藝六十年の歩みを振り返ってみるよい機会となりました。これまで東書藝を支えて下さった歴代会長はじめ諸先生方のご尽力に対し、改めて感謝の念を捧げたいと思います。
 さて、今年は暦が一巡して、また新たな歴史を刻む年となりました。人生でいえば六十代はまだまだこれから、いよいよ円熟期に入ろうとするところです。「流水は腐せず」という言葉のように、東書藝はこれまで六十年の実績をふまえ、益々前進と深化をめざさねばなりません。
 それを示唆するかのように、今展を前に開催された新春東書藝代表作家展は、最大幅四メートルという大作の数々で広い会場を圧倒し、その様子はまさに壮観。本会の理念である「作家の自由かつ大胆な作品の発表を企画し、もって書壇に新風を送らんとする」 の意気込みを見せ、東書藝の精神は偉在であることを示して余りあるものでした。
 今展はどんな作品が発表されるのか、とくとご覧いただいて大方のご批判、ご感想をお聞かせいただければ幸いです。